「雨中石山寺」6(終)
背後に宝篋印塔が立っている。
毘沙門堂には灯りが点されて、薄暗く雨降る中だけに信仰心のない私にさえ、奇妙な神々しさが醸し出されているように見えた。
毘沙門天を盗撮。
隣の観音堂も同じような雰囲気である。
往路のとき、雨宿りする人たちの中に一人合掌している老婆がいた姿がふと甦ってきた。
(ヤット終ワリカァ。長カッタア~!)
3時間余り経っていた。
―― ちょっとかかりすぎたなあ
もと来た静かな参道を逆に歩くと往き会う人もほとんどない。両側にいい庭がつづく。
世尊院、公風園白耳亭、拾翠園金龍社、宝輪院、法性院といずれも秀れた庭を有しているが中に入れるのは金龍社だけである。来しな一瞥しただけの庭を外から覗き込んだ。
3時間余り経っていた。
―― ちょっとかかりすぎたなあ
もと来た静かな参道を逆に歩くと往き会う人もほとんどない。両側にいい庭がつづく。
世尊院、公風園白耳亭、拾翠園金龍社、宝輪院、法性院といずれも秀れた庭を有しているが中に入れるのは金龍社だけである。来しな一瞥しただけの庭を外から覗き込んだ。
雨で落ち着いた庭がつづく。
壁際の排水路までが綺麗であった。
雨が小降りになった。
東大門を出ると手持ち無沙汰そうにタクシーが数台並んでいる。左に折れると朗澄大徳遊鬼境へ向かう。わずか50メートルほど離れているだけだ。
東大門を出ると手持ち無沙汰そうにタクシーが数台並んでいる。左に折れると朗澄大徳遊鬼境へ向かう。わずか50メートルほど離れているだけだ。
帰り、車に乗ってしばらくすると雨脚が激しくフロントガラスを撃ちつけ始めた。
(間一髪ダネ!)
―― ほんとや
私は子育観音の空間を思い出しながら足の痛みを振り払った。
―― ほんとや
私は子育観音の空間を思い出しながら足の痛みを振り払った。
雨降らばつとめて啼けよほととぎす uttiy
※ ※ ※ ※ ※
最後までご覧いただき 感謝に堪えません