コブシ・辛夷 

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今年の春は早足だった。
2009.04.05

三島池から見る伊吹山の南側にはもう雪がなくて、
霞がかかり、風だけがわずかに肌寒かった。

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2009.04.13
その辛夷がもう満開を迎え、

花びらを落としていく姿まであった。

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この木が好きだと言う人は多い。
私もその一人だ。

木の下に佇むと

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こころが洗われるように清々しくなるからだろう。
堀辰雄が見たかったという早春の

雪の中に咲く辛夷を私も見たいと思う。
              いつのことになるやら……


辛夷は春を告げる木の一つだ。

「田打ち桜」とも言い、この花が咲くと田植えだとか。
生活に密着した名はいい。
「田打ち」とは田植えの準備のことだ。
田植えの前に土を返す――農事が忙しくなり始めるころに咲く。


花言葉は「信頼」だそうだが、どうも気に入らない。

なら……「初心」。
 
コブシ モクレンモクレン属)
学名 Magnolia kobus
別名 田打ち桜
北海道~九州、および済州島に分布する落葉広葉高木。
 平地の林や日かげ、丘陵地の森や林の中に自生する。樹高は15mくらいまで伸びる。
 花期は3~4月。花の大きさは10cmくらいまで。
 果期は9~10月。果実が握り拳に似てデコボコしているというのが「コブシ」の由来とか。
 北海道には「キタコブシ」と呼ばれる変種がある。
 中国では「辛夷(しんい)」は木蓮のこと。
 花蕾は鼻炎、鼻づまりなどに効く生薬として漢方薬に配合される。
 材は樹皮を付けたまま茶室の柱に用いられたりする。
 
    辛夷の実
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                       2006.09.25 草津市立水生植物公園「みずの森

    辛夷の冬芽

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                                2006.11.30 京都府立植物園

    辛夷の木肌

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                                2006.11.30 京都府立植物園

 

花がよく似たタムシバとの違い

   辛夷は蕾の頃からすぐ側に葉をつけ、
   開花が進むにつれて葉をあおあおと広げる。
   タムシバはその反対で、
   花の側に葉はなく、開花中も葉はなく、花後に出す。
 
       タムシバの蕾

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                               2009.04.23 奥伊吹・甲津原