タムシバ

2009.04.13 & 04.23 奥伊吹・甲津原
この時季
4月上旬前後、タムシバは奥伊吹でもよく見かけるのだが
如何せん…雑木に混じって撮りにくい。

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あるいはその姿こそタムシバらしいのかもしれない。
若木なら結構林道沿いにも見かけるので
なるべく近づいて撮ってみた。

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が、画にはならない。

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イワウチワを撮ろうと急交配の山襞を突き抜けたときだった。
 目の前にタムシバが数輪咲いていた。
 ――ほお~、と思ったとたん
このタムシバが変なのに気づいた。

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タムシバだから花季に葉がないのは当然だ。
そのことではない。
 ――花が少なすぎる!
それもあった。しかし、何よりも私を
ある想いにさせたのは、それが倒木だったことである。
根元の少し上辺りから見事なまでにポッキリ折れている。
       ――いのち かくあらなむ。

しばらくそのタムシバを眺めたあと……イワウチワを撮るべく移動した。

 

学名 Magnolia salicifolia (Sieb. et Zucc.) Maxim.
別名 カムシバ ニオイコブシ サトウシバ
本州、四国、九州の丘陵帯から山地帯に分布する落葉小高木。
 樹高は10mくらいまで。樹皮は灰色~灰褐色。
 葉は単葉で互生。広被針形。全縁。表面は灰緑色。 裏面は白緑色。
 葉を噛むとキシリトールのような甘味がするために「カムシバ(噛む柴)」と言われ、
   訛って「タムシバ」になったそうだ。
花期は3月~4月。花の大きさは10cmほど。コブシに先駆けて咲く。 
花弁は6枚。顎片は3枚。芳香がある。

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                                2013.04.01 京都府立植物園

   よく似た辛夷(コブシ)とタムシバとの違
 
タムシバをコブシと思いこんでいたのは私一人ではあるまい。
いろいろと違いがあって当たり前だが
一番分かりやすいのが、である。
タムシバは開花中に葉がない。葉がつく前に咲くのである。
コブシは逆に蕾のときからその側に葉をつけ、
開花が進むにつれて淡い緑を広げていく。
                      このため、鑑賞としてはコブシの方が人気。
                      タムシバを庭へ植える人はまずいないだろう。

       タムシバの蕾

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       コブシの蕾に葉っぱ

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