なぜここに座禅草の群生地がのこったのか、看板に簡単な説明があった。
湧き水の周りに落葉樹が生え、座禅草が繁殖しやすい条件があったからだと
いう。なるほどと思うがそれにしても奇妙だ。最初私が感じていた意外さが
消えたわけではない。周りは竹林である。しかもその中に、周囲1キロもな
い小世界が残された。湧き水があって落葉樹が生えればどこでも座禅草が咲
くわけではない。奇跡のようにここ弘川に、なぜ……。考えても答の出ない
ことを考えていた。そして水辺の座禅草の群落そのものが美しく見え、シャ
ッターをきっていた。ちなみにここ弘川は日本の座禅草が自生する南限だと
いうことだ。