逝く秋 紅葉 奥伊吹 - 1 大久保 (「伊吹憧憬」-110)
奥伊吹への道を辿ると
最初に出会う村が大久保である。
ここに至る途中に絶景の紅葉場所がある。
が、道路の工事中で、
邪魔をしてはいけない。
諦めた。
最初に出会う村が大久保である。
ここに至る途中に絶景の紅葉場所がある。
が、道路の工事中で、
邪魔をしてはいけない。
諦めた。
村は至って静かだ。
夏は近隣の子供や若者で賑わう。
冬も雪遊びに訪れる人がそこそこあるという。
伊吹山の一角(中腹)がかすかに見える。
意味もなく、赤く染まったもみじも撮りたくなる。
しっとりとした空気が冷気を含んで全身をつつむ。
静かなよろこびが湧いてくる。
これはいったいなんだろう。
平凡。
営み。
つまらない言葉の喧噪が消えていく。
静かなよろこびが湧いてくる。
これはいったいなんだろう。
平凡。
営み。
つまらない言葉の喧噪が消えていく。
日蔭に蜘蛛の巣。
落ち葉が数枚かかっていた。
落ち葉が数枚かかっていた。
農家の奥さんが「ここはなにもない田舎だから……」
と生ゴミを土に返しながら言う。
「ここで茗荷を作っている。花が綺麗だよ」
今は、わずかに青みを帯びた黒い実をつけている。
それもほとんど残っていない。
頭上で小鳥がさえずっている。
畠のまわりすべてが山……
いや、生活のすべてと言った方がいいか。
紅葉と緑が帯のように村を巻いていた。
いや、生活のすべてと言った方がいいか。
紅葉と緑が帯のように村を巻いていた。
おまけ
50半ばの農夫が言った。
「今年は熊が多くてな」
連日のように熊騒ぎがつづいている。
「餌がのうてはなあ……
ここでもよう出るんや。
あの銀杏の木に登って喰いよおる」
「今年は熊が多くてな」
連日のように熊騒ぎがつづいている。
「餌がのうてはなあ……
ここでもよう出るんや。
あの銀杏の木に登って喰いよおる」
二週間ほど前に親子熊が来て、
登っていた。
ところが、小枝が折れて落ちてしまったそうだ。
木に残った熊の爪痕を見せてくれた。
「銀杏を喰って消化するのかな?
熊の糞はこんもりとした山みたいで…、
実がそのまま入っているんや」
いくつもあるという。
見せてもらった。
これが、その、糞の名残。
この数倍の糞だったそうだ。
いいものを見せてもらった。
いいものを見せてもらった。
明日へ つづく
ご覧いただき ありがとうございました
専ら、CanonのIXY DEGITAL800IS か、EOS20D に EF-S18-55mmF3.5-5.6USM や EF90-300mmF4.5-5.6USM、 EF50mmF2.5コンパクトマクロを装着して撮っています。